株の始め方から応用まで シノ先生流株式投資

投資歴5年の個人投資家が、これまで学んだ株の基本やテクニックなどを紹介していくブログです

株を始める資金はいくらくらい? 資産のバランス配分に気を付けよう

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現実的な話として、何円あれば株の運用ができるのでしょうか?

 

テレビや雑誌などで『5万円から始める株式投資!』とか『1万円以下で買えるお宝株!』など、いろいろ刺激的な記事を見かけます。

 

私の感覚としては、さすがに5万円は厳しいと思います。

出来れば100万円欲しいところですが、50万円ならなんとかなるとは思います。

それも難しい場合安定した運用は難しいですが、20万円あれば最低限の投資はできます。さすがにそれ以下は厳しいです。

 

では、その根拠をご説明します。

5万円で買える優良株はたしかにありますが、10万、20万、30万、40万と、いろいろな価格帯に優良な株は存在します。

似たような企業が複数ある場合に、予算の問題で優良な企業を選ぶことができないというのはできれば避けたいものです。

5万円以下、というしばりをもうけてしまうと、その時点で多くの企業を削らざるを得ません。

5万円以下の優良企業はもちろん買いつつ、それ以上の価格の企業も常に選択肢に入れておくことが望ましいのです。

 

それなら優良株を一つ買えばいいのかというと、なかなかそうもいきません。

株の基本的な考え方として『余剰資金』と『ポートフォリオ』というものがあります。

余剰資金はそのままの意味で、予備の資金です。

ポートフォリオは、資産全体のバランスという意味合いです。

 

株価はその企業の業績だけでなく、様々な要因で上げ下げします。

ニュースを見ていても、トランプ大統領ツイッター投稿1つで株式市場が大混乱に陥ることもしょっちゅうです。

もしあなたが全資金で1つの企業の株を買っていて、もう余剰資金が残っていなかったとします。その場合、なんらかの外部的な要因(トランプ発言など)で株式市場全体の価格が下落した時に、せっかく別の優秀な株を安く買う機会が来たにもかかわらず、予算不足で買うことができません。

 

株で儲ける大原則は『安いときに買って、高いときに売る』です。

その企業とは関係なく株価が下がったのならば、絶好の買い時です。

これを見逃すのは大損です。

 

株価はどうしても予想不可能な動きをすることがあります。

下がったと思って買ったらさらに下がったり、上がったと思って売ったらさらに上がることなどしょっちゅうです。

そのため予想外の動きをしたときに、それに対応して売買をするための資金は一定程度残しておくことが望ましいのです。

 

もし5万円の株を買うのなら、同じくらいの別の株を買うことができる資産を残しておく方が柔軟な投資を行うことができます。場合によっては、すでに持っている株が値下がりした時に、さらに買い増すという選択肢もあります。これを『ナンピン』といいます。

 

また、企業の種類を複数に分けておくことも重要です。これがポートフォリオです。

ポートフォリオの考え方の分かりやすい例えとしてよく用いられるのが『同じカゴに卵を乗せるな』という格言です。

ひとつのカゴに卵をいくつも乗せていると、もしそのカゴをひっくり返したとき、すべての卵が割れてしまいます。

つまり、一つの株や同じような業種にばかり資金を投入していると、なにか起きた時に全てを失う可能性があるということです。その企業が不正をしていたり、その業界を巻き込む大事件が起きた時などです。

 

そのため、安定した資産運用をする場合は複数の企業、または複数の業界などにバランスよく資産を分散することが望ましいとされています。

 

では、具体的にポートフォリオを考えると、どのような感じになるか?

例えば、日本株への投資だけで考えてみるならば、まず内需系と外需系に分けます。

内需とは、日本国内の人を相手にする産業です。

例えば小売業、飲食業、娯楽産業などです。電化製品販売の『ヤマダ電機』は5万円、ファミリーレストランの『すかいらーく』は19万円、東京ドーム球場や遊園地などを運営する『東京ドーム』は10万円で買えます。

この3社を買うと、34万円になります。

これら内需系はあまり為替相場の影響を受けないので、安定性が高いです。

 

逆に外需とは海外への販売などを中心とする企業で、自動車、半導体などです。

自動車・バイクなどで知られる『本田技研工業』ならば28万円、半導体大手の『SUMCO』なら13万円ほどで買えます。

この2社を買うと、41万円になります。

こちらは円安で業績が伸びやすく、逆に円高になると露骨に売り上げが落ちます。

海外の政治状況、為替などに大きな影響を受け、株価の動きが激しい傾向にあります。

 

上記の内需・外需系5社で75万円。これに買い足し用の現金を25万円程残しておいて相場変動に備えます。

こうすれば、100万円でのバランスがとれた資産構成になります。

 

もしどれか1社で不祥事が起きたり、急激な為替変動があったとしてもダメージは分散されます。

資金が100万円もなく50万円しかない場合、これらと同業の株価の低い企業で同じようなバランスをとればポートフォリオは安定します。

 

このように複数の業界にバラバラに投資をしておけば、なにか大きな出来事があっても大損する可能性が減ります。

無論、大儲けのチャンスも減ることにはなりますので、自信があるのなら100万円を全部『本田技研工業』に投入するというのもアリです。

円安が進み、業績が伸びれば大儲けできます。

しかし、逆のパターンになれば大損になります。

 

そこは投資スタイルの問題ですので、個人の好みの問題になりますが、筆者としては安定した儲けを出そうと思ったら、どうしてもポートフォリオは気を付けるべきと思います。

 

 

ただし、バランスをとろうと思って資産配分をしても、内需・外需などの企業分けが、現代社会においては難しいという問題があります。

 

日本人もホンダの車を買いますから、そういう意味では内需です。

しかし、いまだに海外販売比率の方が多いので、どちらかといえば外需です。

円安になれば売り上げは上がりますが、現在は国内製造せずに海外で現地生産することも多くなっており、そういう意味では為替変動の影響が以前より減りました。

しかし、そうは言っても円安の方が円換算した場合の売り上げが伸びるのです。

 

このように、考えるれば考えるほど、企業の性質については混乱をきたします。

グローバリズムが進んだ現代社会において、企業はあらゆる事態を想定して保険をかけてきました。そのため、かつて為替相場に大きな影響を受けていた自動車産業も、円高時に損をし過ぎないように、為替に対する予防措置をとっています。

 

そのため、ある企業を『円安有利』とか『内需系』などときっぱり分けるのが難しいのです。

 

同じことは小売業でも言えます。昔は日本人しか客がいませんでしたが、いまは観光に来た外国人の爆買いなどもありますので、小売りも外需の比率が上がっています。

しかし、全体の売り上げで言えばまだ国内向けの方が多いので内需的といえます。

 

こういった点は、一つ一つの企業を見て、自身の所有する資産全体の中でバランスをとっていくしかありません。

 

しかし、大原則としては円安、円高などの影響を考慮して、バランスをとった資産構成を心掛けることが大切です。

資金を増やしていく場合は、株だけでなく不動産や債券などを組み入れていくこともあります。

さらには、海外資産に投資をすることもあります。

 

優良な投資先に、バランスよく資産を配分していく。

これがすべての基本です。

 

配当金にかかる税金と振込先について 株式数比例配分方式がおススメ

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Q 配当金に税金はかかりますか?

A はい、かかります(泣)

 

配当金で不労所得と目論んでも、払うものは払わねばなりません。

 

配当金かかる税率はおおむね20%ほどで、これは配当金が10円だろうと1億円だろうと変化しません。累進課税ではないということです。

また、配当金の税金は、給与などの『株以外の収入』とは別に計算します。これは配当金だけでなく、株の売買によって利益を得た場合も同様です。これを申告分離課税といいます。

 

では、配当金の税金は、計算や手続きが面倒なのか?

 

いいえ、別に面倒くさくありません。

 

というのも、配当金に関しても以前説明した『特定口座の源泉徴収あり』システムがそのまま適用されるからです。

 

税金はおよそ20%といいましたが、正確には所得税が15.315%と住民税が5%、合計で20.315%になります。

そして、この配当金も原則は申告分離課税ですので、証券口座を

 

『特定口座の源泉徴収あり』

 

にしておけば面倒な計算は不要です。証券会社が税金の計算、源泉徴収、税務署への書類提出まですべて代行してくれるので、確定申告も必要ありません。

 

この『特定口座』の制度については、以前にご紹介した以下の記事をご覧ください。

 

shinosense.hatenablog.com

 

 

また、株を買った場合に配当金がいくらもらえるのかは、その企業の期末決算や中間決算を待たないと正確にはわかりません。しかし、だいたいの企業は事前に予想を出していますし、過去の配当金から推測もつきます。

これについても以下の記事で説明しましたのでご参照ください。

 

shinosense.hatenablog.com

 

 

 

では、面倒な計算から解放されたところで、具体的に配当金はどこに振り込まれるのでしょうか?

現在、日本には配当金の受け取り方法として以下の4つが存在します。

1 株式数比例配分方式

2 一括振込方式(登録配当金受領口座方式)

3 配当金領収証方式

4 個別銘柄指定方式

似たような文字列ばかりですが、証券口座を開設すると配当金の受け取り方式をこの中から選ぶことになります。

 

結論から言いますと。

 

『株式数比例配分方式』が最良です。

 

初心者であれば、それ以外にすることはよほどのことがない限り避けるべきです。

 

この株式数比例配分方式というのは、配当金が投資家の持つ証券口座に直接入金される制度です。

 

もしあなたが証券口座を1つしか持っていないのであれば、保有しているすべて株の配当金は、その一つの口座に振り込まれます。

例えば、松井証券トヨタ自動車の株を100株持っていれば、100株分の配当金が松井証券のあなたの口座に振り込まれます。

振り込まれた配当金はそのまま次の投資に使ってもいいですし、自分の持つ銀行口座に送金をすることもできます。そこはご自由にお使いください。

 

そうでない場合、つまり松井証券SBI証券の2つに証券口座を持っている場合なら、株式数比例配分方式を選択していれば、松井証券で買っている株の配当金は松井証券の口座に、SBI証券の口座で買っている株の配当金はSBI証券に振り込まれます。

 

ちなみに、同じ企業の株を別々の証券口座で買うことはなんら問題ありません。

そのため、どちらの口座でも同じ企業の株を持っている場合、例えば松井証券トヨタ自動車の株を200株、SBI証券の口座でトヨタ自動車の株を100株持っていたとします。

この場合、松井証券の口座には200株分の配当金が、SBI証券の口座には100株分の配当金が振り込まれることになります。

 

ここでも、特定口座の源泉徴収ありを選択しておけば振り込まれる時点で証券会社が約20%の税金を源泉徴収し、残りの80%が振り込まれるので税金の計算などは不要です。書類提出もすべて証券会社が代行してくれます。

 

企業から出る配当金をその株式を保管している証券口座に入金する、これが株式比例配分方式です。

 

ちなみに、それ以外の受け取り方法は、例えば銀行口座に直接振り込んでもらう方式や、送られてくる書類を銀行に持参して現金を受け取ったりする方法です。

しかし、こちらは契約できる銀行口座に制限があったり、企業ごとに個別に契約を結んだりと、手間が増えるだけで得なことは何もありません。

 

どこの証券会社も受け取り方法は株式比例配分方式を推奨しています。

筆者もこれについては大人しく従っておく方が賢明と思います。

 

配当金で不労所得を得るために 配当金の利率計算方法と企業選びの注意点

 

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配当金とは、企業が株式を所有している投資家に、利益を現金で分配するものです。

以下の前回記事では、配当金が長期での資産形成に大きな役割を果たすことを紹介しましたが、今回は配当金の年利換算について解説します。

 

shinosense.hatenablog.com

 

まず理解していただきたいのは、配当金は企業ごとに金額が異なっているということです。どこの会社の株を買っても同じ金額が貰えるというわけではありません。

例えば去年の2018年配当ですと、トヨタ自動車ならば1株220円、みずほフィナンシャルなら1株7円50銭でした。

50銭というのが中途半端に思えるかもしれませんが、基本的に株は1株単位ではなく100株単位で購入するものなので、100株ずつ所有していた場合に渡される配当金はトヨタが2万2千円、みずほが750円になります。

 1株あたりいくら配当を出すかは各企業が勝手に決めることなので、配当金を多めに出す企業、少なめに出す企業などを各々の投資家が調べ、自分の好む企業に投資をすることになります。

 

どこの企業の配当金が多いのかは以下の計算式で表せます。

 

 

 

 『1株の配当金 ÷ 1株の株価』

 

 

 

2019年6月のトヨタ株は価格が1株6600円、1株配当を去年と同じ220円と仮定します。

220÷6600は0.033になり、パーセンテージで表せば3.3%ということになります。

つまりトヨタの配当金は、年利3.3%ということです。

 

もし株価がずっと変化せず、減配も起きなければ、毎年ごとに株の購入金額の3.3%が配当として振り込まれるという計算になります。

 

これと同様の計算をみずほで行うと、年利は4.8%になります。

配当金という点のみに注目し、同じだけの資金でそれぞれの株を購入するならば、みずほの方がトヨタよりも年利で1.5%ほど得であるという計算になります。

 

仮に100万円ずつ、10年間にわたり双方の株を所有していたと仮定しましょう。

トヨタ株は100万円が133万円に増えるのに対し、みずほ株は148万円に増えることになります。

さらに前回の記事で説明した『複利効果』があるため、実際には配当金を再投資に向けていれば双方の開きはさらに大きなものになっているでしょう。

 

このように、配当金を考えるときに重要なのは、その株価に対していくら貰えるのかという割合なのです。

配当金が220円と7円50銭というものを単純に比較できるわけではありません。

 

ただし、これはあくまでも配当金のみに注目した場合の話です。

自動車産業と銀行業ではあらゆる点で企業の意味が異なりますし、実際に株を買うかどうかは、この配当金だけで判断することはできません。

将来的な市場の変化、企業の財務状況、貿易や為替リスク、減配あるいは増配の可能性、などなど考えるべき要素はいくらでもあります。

 

しかし、配当金での企業比較の基本は、この年利計算にあるということはきちんと覚えておいてください。

 

 

 

では、配当金がいくら支払われるのかをどうやって調べるかというと、過去のものに関しては各企業がネット上などでキチンと公表しています。

上場企業(証券取引所で株が売買される企業のこと)は、その財務内容などを世間に公表する義務を負っています。なので、株主でない人間も企業の過去の会計などについては容易に調べることができます。

ちなみに過去のものではなく、まだ支払われていない今年や来年の配当金については、企業ごとに『予想』を公表しているものもあれば、『未定』としているところもあります。業績如何によっては変更されることも多いので、あくまで参考程度にとどめておくことが望ましいと思います。

 

さて、過去の配当金については、みなさんネットで企業名と配当金について検索してみてください、すぐに出てきます。

その中で、おおよそ過去5年分ほどの配当金の額を見れば、その企業が。

『ここは毎年同じくらいの配当金を出してるな』

『逆にこの企業は毎年配当金の額が大きく異なるな』

などの変化を見ることができ、例年決まった額の配当を出している企業などは、今年以降の配当金も似たような額になることが多いです。

 

このように、安定した配当を出す企業もあれば、業績によって配当金を変化させる企業もあります。そして、中にはまったく配当金を出さない企業もあります。

そういった無配の事情は各企業によって異なりますが、単純に業績が悪くて配当金を出せない場合もあれば、配当金に回す利益をすべて事業投資に回したり、あるいは内部留保(企業にとっての貯金)に回す場合もあります。

 

配当金はたくさん出せば良いというわけでもありません。

100万円しか利益が上がってない企業が100万円を配当に回してしまえば、設備投資もできませんし、業績が悪化した時に耐えることができなくなります。

特に新興の成長企業などは、利益を分配してしまうよりも事業拡大に向けたほうが最終的な会社の利益も増え、結果的に株価が上昇したりします。

これらはその企業の経営スタイルに大きな影響を受けます。なので、配当金が少ないからといって悪い企業とは限らず、逆に配当金が多いからといって良い企業とも限りません。

ちなみに、年間の利益以上に配当を出す企業も存在します。つまり会社の資産を崩して配当を出しているのです。こういった配当はタコが自分の足を食う様から『タコ足配当』と呼んだりします。こうした企業は要注意となります。

 

具体的な企業選びのコツはまたいずれ詳しくご紹介しますが、長期投資で儲けたいと思うのならば、この配当金の利率というものによく注意をして選ぶ必要があることは、理解しておいてください。

不労所得で生活するために 配当金の魅力とリスク

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株で儲けて、不労所得で生活を送る。

みなさんなんとなくイメージはできるかもしれませんが、具体的にはどうやればいいのかというと、なかなか答え辛いかとも思います。

 

そもそも株で成功すると、なぜ働かないで済むのか?

そこのところを少しお話ししようと思います。

 

まず、株式には『議決権』というものがあり、株式の所有者はすなわち、その企業の所有者となります。

極端な話、トヨタ自動車の株の50%を所有すれば会社の社長を好きに選ぶことすら可能です。

これについては以前、以下のようにお話ししました。

 

shinosense.hatenablog.com

 

 

 

しかし、株式の持つ価値はこの『議決権』だけではありません。

そう、それが『配当権』です。

 

配当とは、企業が事業で儲けたお金を株主に分配する制度のことです。

そもそも、企業の所有者が株主である以上、企業の儲けとは所有者の儲けでもあります。その儲けを、現金という形で分配するのです。

なので、例えばあなたがトヨタ自動車の株を所有している投資家ならばトヨタが毎年、儲けの一部をあなたに送金してくるわけです。

 

考えてみてください。

あの天下のトヨタの社員たちが汗水たらして稼いだお金を、あなたは家でゴロゴロしているだけで(もちろん働いててもいいですが)勝手に持ってきてくれるのです。

 

これを不労所得と言わずになんといいましょうか。

 

ちなみに、2018年のトヨタの年間配当金は1株当たり220円でした。

たった220円? いいえ、違います。

株は予算さえあるならば、1人でたくさん買うことができます。

もし100株所有していれば年間220円×100株で2万2千円手に入ります。

1万株所有していれば、年間220万円。

5万株所有していれば、年間1100万円にもなるのです。

 

ただ寝てるだけで、毎年これだけの現金があなたの口座に振り込まれるのです(税金はとられますけどね)。

まさに遊んで暮らせる人生です。

 

しかし、当たり前ですがそう簡単な話ではありません。

そもそも、トヨタ株は2019年6月現在、1株の価格が6600円します。

5万株を所有するために必要な資金は、実に3億3000万円にもなります。

いっきに現実に引き戻される金額、世の中そんなに甘くはないということですね。

 

しかし、そこで諦めないでください。

考えてみてください、100株を手に入れる資金は66万円です。

けして安い買い物ではありませんが、買うことが不可能な金額ではありません。

100株所有していれば、毎年2万2千円ほどが入ってきます。

 

10年で22万円、30年で66万円です。

 

株は証券取引所で売れば現金化することができるので、仮に30年間株価が変化せず、配当金も減らずに配分が続いていれば、理論上は30年ほどで資産が倍に増えるのです。

定期預金では30年満期というものがあったとしても絶対にこんなに増えません。

 

もちろん、リスクは数え切れないほどあります。

トヨタがこの先、絶対に潰れないという保証はありません。

トヨタが潰れれば株は紙切れ同然になります。

仮に30年間配当金が同額支払い続けられたとしても、30年後に突然トヨタが倒産してしまった場合、66万円も出して買った100株が紙切れになってしまいます。

これではせっかくもらった配当金も丸々消し飛んでしまいます。

そうでなくとも業績が悪化すれば株価は下がりますので、潰れないにしても全体の利益は減ってしまいます。

 

さらに減配のリスクもあります。

配当金は、あくまでも企業が儲かったから分配するものです。

トヨタが業績悪化のために配当金を減らしたり、時には配当を出さないこともあるでしょう。これを株式用語では『減配』『無配』といいます。

配当金がなくなったうえに倒産してしまっては、目も当てられない大損になってしまいます。

 

このように、株式には常にリスクが伴います。

株は安全だとか、絶対儲かるとか、トヨタ自動車は潰れないとか、そういうことをいう人は信用しない方が良いです。

株の世界に絶対はありません。つねにリスクのことは考えてください。

 

 

しかし、だからこそ言います。リスクは自分の負える範囲で負えばいいのです。

全ての財産が100万円しかないのならば、100株で66万円もするトヨタの株は買わない方が良いでしょう。

そもそも企業なんて星の数ほどあります。もっと安い株だっていくらでもあります。

 

例えば100株で1万5千円ほどの『みずほフィナンシャル』を買うという手もあります。この程度であれば企業が潰れて紙切れになったとしても、致命傷にはならないでしょう。配当金も年間に750円ほど貰えます。

こうやって少しずつリスクをとりながら、資産を増やす努力をしていくのが、健全な投資スタイルだと思います。

 

不労所得で生活する、それは確かに理想的ですが、いきなり株の配当金だけでそんな生活を送ることは難しいでしょう。

自分に見合ったリスクをとり、株を所有して配当金を受け取り、時間とともに資産を増やしていく。これが長期投資における基本的な資産運用スタイルです。

 

この長期運用スタイルを、例えば以下のような事例で考えてみましょう。

あなたは22歳フリーターで、いま時給1000円のバイトをしているとしましょう。

あなたはすでに何年か働いて貯めた貯金を投資に廻し、100株のトヨタ自動車株を所有しているとします。

そうなると年間2万2千円の配当があり、これはバイト22時間分の給料に相当します。

つまり1日8時間働く場合、3日分よりちょっと少ない程度の現金が年に一度、自動的に入ってくることになります(税金のことは一端除外することとします)。

 

あなたが頑張って給料から毎月2万5千円の貯金をすると、2年で60万円が貯まります。

さらにさきほどの配当金が2年分、つまり4万4千円ほど貰えます。

これだけあれば、トヨタの株をもう100株買い増すことができます。

 

そのパターンを繰り返すこと20年、42歳になったあなたはトヨタ株を1000株保有しています。仕事は相変わらず時給1000円のバイトです。

そのころには、毎年の配当金がバイト27日分ほど入ってくることになります。

つまり約一か月分の給料が自動的に入ってくる計算になります。

 

 そうなると、例えばこんな風に考えることができます。

1 一か月間の休暇をとり、その間が無給だったとしても年間の収入は減らない。

2 逆に休まず働けば、毎年1回、1か月分のボーナスが入ってくる。

こう考えれば、ずいぶんと心に余裕が生まれてくる感じがします。

 

そして、さらにもう一つ重要な要素である『複利効果』が存在します。

トヨタ株を1000株所有していれば、毎年22万円が入ってきます。

つまりこの頃になると、給料からの毎月2万5千円の貯金と合わせて、2年間で104万円が貯まる計算になるのです。

そうなると、2年ごとの100株買い増しを行っても、まだ38万円が余る計算になります。

時間とともに増える額が二次関数的にアップしていく、これこそが配当における最大の力『複利効果』です。

 

 

 働いて貯金をする、これはとても大切な精神だと思います。

しかし、給料がたくさん貰え、収入が毎年アップし、老後年金も充実している。

みんながそんな生活を送ることは、いまの時代むずかしいでしょう。

そうなったら、多くの人は資産運用をするしかありません。

 

株で儲ける。

それを考えるとき、この配当金というシステムは非常に重要になります。

 

次回は、この配当金の仕組みについて、もう少し詳しく語っていくことにします。

 

 

株で儲けた給与所得者の税金はどうなるか? 確定申告不要の特定口座を利用しよう

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これから株を始めようと思う人の多くが心配するのが、税金のことかと思います。

捕らぬ狸の皮算用とは言いませんが

 

「会社に書類とか提出しないとマズいかな」

「税金の計算面倒くさいし、確定申告ってやったことないんだよな」

「株で儲け過ぎたら年間の所得が増えて、給料から引かれている所得税や住民税の利率変わっちゃう? もしかして確定申告するときに追加納税しないといけない?」

 

など、いろいろと思うところがあるかとも思います。

結論から言いますと、証券会社に開いた口座を『特定口座』かつ『源泉徴収あり』に指定すればそういった心配はしなくて大丈夫です。

確定申告の必要も、書類申請も、給与にかかる所得税や住民税が変化することもありません。

 

この『特定口座』と『源泉徴収あり』を選択することは、まったく難しくありません。

口座開設時に必要事項を入力しますが、必ずこれについては聞かれます。

 

『特定口座』と『一般口座』、どちらで開設しますか?

と聞かれますので、特定口座を選択してください。

 

続いて『源泉徴収あり』と『源泉徴収なし』のどちらにしますか?

と聞かれますので、源泉徴収ありを選択してください。

 

これだけで、株の運用に関しては会社への書類提出、確定申告などは不要になります。

 

では、この特定口座と一般口座とはなんなのか。その性質について解説します。

特定口座とは、証券会社が株の売買や配当金にかかる税金の計算をすべて代行してくれる口座です。個人の資産運用が円滑に行えるように導入された制度で、まさに個人投資家が活動しやすくなるように生まれた制度です。

この特定口座では、その人が株取引でいくら損益があるか、さらにそれにかかる所得税や住民税はいくらか、などを計算から書類作成まですべて代行してくれます。

 

一方、一般口座とはそういった代行業務を一切行わず、すべて投資家本人が行う口座です。

株をいくらで買ったのか、いくらで売ったのか、それにかかる税金はいくらか、などの計算から書類作成まで、すべて自身で行う必要があります。

 

これだけ聞いた人はみんな思うでしょう。

「それって一般口座を選ぶメリットあるのか?」と。

はっきり言ってメリットはほぼないです。

いちおう一般口座を選ぶメリットとしては、所得控除で相殺できるだけの年間利益しか上げない場合というのがあるのですが、これを満たすのは、投資家が『無職』に近い収入しかなく、かつ『株で利益をほぼあげない』という条件を満たす場合のみです。

それ以外の場合は特定口座にしておく方が全てにおいて便利です。

悪いことは言わないので、初心者の方は特定口座にしておく方が賢明と筆者は思います。

 

そして『源泉徴収あり』と『源泉徴収なし』についてですが、これは文字通りの意味で源泉徴収を証券会社に代行してもらうかどうかの選択です。

これについては、先ほど特定口座の説明で『証券会社が投資家の代わりに面倒な税金の計算や書類作成を行ってくれる』と述べましたが、この時点ではあくまでも『計算をして書類を用意した』という段階です。納税までは行っていません。

 

そこで『源泉徴収あり』を選択しておけば、証券会社が納税の部分までやってくれるので、結果的に翌年の確定申告も不要になります。

もし『源泉徴収なし』を選んでしまうと、年明けごろに税務署へ株の損益に関する確定申告を行う必要が生じます。

あえて『源泉徴収なし』を選ぶメリットは、複数の証券口座を所持している場合や、納税を先送りできることによる運用資金の確保などがありますが、なにか特別な事情でもないのなら、初心者は源泉徴収ありをお勧めします。

とにかく、この『特定口座、源泉徴収あり』の組み合わせにしておけば、面倒な手続きは全て省くことができます。

いずれ株取引について熟達し、一般口座や源泉徴収なしをうまく活用できるようになったなら、その時にまた考えればいいと思います。

 

最後に所得税や住民税の割合についての話。

「株で大儲けしちゃったら、年間の所得が増えるので所得税や住民税の税率も上がり、会社からもらった源泉徴収済みの給料も、不足分を確定申告で追加納税しないといけないのでは?」と考える心配性な人もいるかもしれません。

結論をいいますと、やはり『特定口座の源泉徴収あり』を選んでおけば、そういった心配は不要です。

 

そもそも、株に関する利益は『申告分離課税』という税制度が採られています。

文字通りの意味で『株の利益に関する税申告は、それ以外の収入とは分離して計算する』ということです。

もっと簡単に言えば『株の利益』がいくらであろうとも、給与に対する税率には影響がないということです。

言い換えれば、給料をいくらもらっていようとも株の利益に対する税率にも影響しないということです。

 

2019年現在、株の利益に対する税率はおよそ20%で固定されています。

なので、もし株で年間100円しか利益が上がらなかっとしても、20円は税金で持っていかれます。

逆に、株で100億円儲かったとしても、20億円しか税金はもっていかれません。

そして、これらは給料など『株などの投資以外の収入』とは完全に分けて計算されます。

 

例えば、あなたが会社勤めのサラリーマンで、給与を年間1000万円貰っていたとしましょう。会社が源泉徴収した額が400万円だったとします。

この場合でも、株の利益が100円ならそれにかかる税金は20円ですし、株の利益が100億なら20億円です。

そして、どちらの場合でも会社が源泉徴収する額は400万円のままです。

これが申告分離課税です。

 

ちなみに、申告分離課税以外の納税方法もあります。

株の利益をそれ以外の収入(給料など)と合わせて申告する方法です。これを総合課税と呼び、確定申告でこの方法を用いることも可能です。

しかし、これは税金の計算がメチャクチャ面倒くさくなるし、給与などをもらっている人は会社とのやり取りが非常に煩雑になり、所得税や住民税、さらには様々な控除が受けられなくなる可能性がありますので、初心者にはお勧めしません。

これから株を始めようという人は、まずは『特定口座』の『源泉徴収あり』にしておき、何かの事情で確定申告を行う場合は申告分離課税のままにしておけば、株についてはなにも申告しなくて大丈夫です。

これは、けっして申告を誤魔化しているわけではありません。特定口座の源泉徴収ありを選択しているなら、証券会社は勝手に税務署に書類を送って、源泉徴収した税金を全て納税してくれているので、申告をする必要がないということです。

 

もちろん、この『特定口座、源泉徴収あり』はサラリーマンでなくとも利用できます。

自営業だろうが年金生活者だろうが、無職であろうが学生であろうが。

面倒な税金計算や確定申告を省きたいのならば、間違いなくこの組み合わせがベストであると筆者は考えます。

株は返済義務のない借用書である 株を持つ意味「議決権」について

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質問です。株主が企業に対して「この株券はおたくの会社から10000円で買ったものだが、株券を返すから10000円を返して欲しい」と言った場合、企業は返済義務があるでしょうか?

 

答えは「返済義務はない」です。

 

 

株券には償還義務、すなわち企業が現金化する義務がありません。

つまり株式とは、返済義務のない借用書なのです。

 

もし企業が銀行から金を借りれば、当然それは返済義務があります。利子をつけて期限までに返さなければなりません。

あるいは、企業が株式としてではなく、どこかの資産家に融資をしてもらったり、社債を発行して現金を集めた場合も同様の返済義務が生じます。

しかし株式にはそれがないのです。返済義務を負わずに現金を手に入れられるため、企業はできるだけ株式を発行して資金を集めたがるのです。

 

では、わざわざ現金を出してまで、そんな株券をなぜ投資家は買うのか?

それは、株券を持っている者は、その会社に対して議決権を持てるからです。

議決権とは文字通りの意味で、例えばその会社の社長を決めたり、配当金の額を決めたり、その他さまざまな決定事項に「賛成」「反対」の票を投じる権利です。

極端な話ですが、もしあなたがトヨタ自動車の株を買った場合、あの天下の大企業の社長を誰にするか、あなたにも決定権があるということなのです。

そのため、株式会社の所有者(オーナー)は「株主」であるというのが資本主義の大原則になっているのです。

 

しかし、そうはいっても株は大量に発行されています。株主には、その人が所有する株式数によって議決権が割り振られるため、大量に株を持っていればそれだけ多くの議決権を持ちます。1単元(基本的には100株)ごとに1つの議決権が与えられているため、もしあなたがトヨタの株を100株だけを所有していれば持てる議決権は「1」になります。わかりやすく言うと、AKB48のCDを1枚買えば投票権が1枚貰え、たくさん買えばその分だけ投票権がたくさん貰えるようなものです。

いくらあなたが「次のトヨタの社長は俺の息子にしたい!」と言ったところで、あなた以上の株を所有している人たちが反対すれば却下されます。参考までにトヨタの発行済株式を述べておきますと32億5千万株です。17億株ほどを所有すればトヨタの社長を自由に決められますが、そのために必要な資金はおよそ11兆円になります。そんなに金を持ってるなら株なんか買わなくてもいいと思います。

 

しかし、そうはいっても一票は一票です。衆議院議員選挙などでも、議員たちは一票でも多く欲しいために熾烈な争いを繰り広げます。

例えばA社がB社を買収したいとします。その場合、A社はB社の株を一定数以上買い占める必要があります。なぜなら、株を持っていないとその会社に対する議決権がないためです。B社の経営陣たちが「A社の買収に応じたい」と考えたとしても、株主たちが「駄目だ」と言ったら駄目だからです。経営陣は案を出すことはできても、決定権はあくまでも株主にあるのです。

なので、A社はB社の株主たちから株を買い取るのです。当然、株主たちは現在の市場価格より高くしないと売ってくれないので、株価はうなぎのぼりに上昇していきます。

テレビニュースなどでもたまに見かける、M&Aなども買収の一種です。これが決まると株主は所有株をかなりの高値で売ることができます。

もっとも、現実には経営陣のトップである社長とその家族などが、その会社の株の半数以上を所有する大株主ということもあるので(創業社長などは特に多い)、経営陣の判断がそのまま株の売却につながることも多いです。

 

もっとも、このような劇的な買収案件がなくとも、企業が利益を上げ、社会的に成功して行けば、その企業に対する議決権の価値も相対的に高まります。そうなれば自然と株価は上昇しますので、株主にとっては利益になるのです。

逆に企業が赤字を出して転落して行けば、そんな会社の議決権を欲しがる人は減りますので、株価は下がっていきます。

株を売買するときの基準の1つは、このように株を発行している企業がこれから成功していくのか、あるいは転落していくのかという予想をするところにあるのです。

 

証券会社が破綻したら資産はどうなるか

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結論から言いますと、破綻しても資産の心配はほぼ要りません、あくまで『ほぼ』ですが。

筆者は投資未経験者には新規口座開設として松井証券を推していますが、株をまったく知らない人からすると「松井証券などという会社は聞いたことがない」とも思います。

野村証券とか大和証券とか、ニュースでもよく出てくる大手の方が安心なんじゃないの? 破綻とかしたら怖いし」と心配するかもしれません。いまとなっては古い話ですが、バブル崩壊の折には山一證券が破綻しました、50歳以上の人はニュースに映った号泣社長の姿を覚えている人もいるでしょう。あのように、とんでもない不況が来た時には証券会社が潰れるときもあります。

ですが、資産を預ける証券会社を選ぶときにその会社が大手かどうか、破綻した場合の補償などについては、ほぼ考える必要はありません。なぜなら、たとえ会社がつぶれようとも基本的に顧客に不利益はないからです。(くどいようですが基本的には、です)

まず理解していただきたいこととして、証券会社がつぶれても預けていた株や資金は返ってくるということです。

そもそも、証券会社は自分の会社の資産と、顧客の資産を完全に分けて管理することが法律で義務付けられています。なので会社がどれだけ負債を抱えて倒産しようとも、顧客の財産が傷つくことはありません。

顧客の財産が傷つくパターンとして考えられるものとしては、例えば証券会社の職員が顧客の資産を横領した場合などですが、当然それは証券会社が信用にかけて賠償することになります。それは銀行などの横領と一緒です。なのでそれを心配するのなら銀行にも預金できなくなります。

あるいは別のパターンとして、証券会社がめちゃくちゃ悪質で、組織ぐるみで違法行為と承知で顧客の資産を横領した上で破綻したなどという事態にでもなれば、話は多少は変わるかもしれません。もっとも、そこまで悪質な例は聞いたことがありませんし、それができるほど金融庁のチェック体制は甘くありません。

ですが万が一そんな事態になったとしても、破綻した証券会社に預けていた資産のうち1000万円までは公的機関が補償してくれます。この点は銀行のペイオフと同様です。

このように、日本の証券会社の資産補償に関しては限りなく万全の体制が整えられています。少なくとも、私が知る限りでは証券会社の倒産で資産を失ったという話は聞いたことがありませんので、まず心配はいりません。

山一証券の破綻の時も、損をこうむったのは山一証券に対して金を貸していた人たちや、山一證券そのものの株を買っていた人たちであって、株を預けていた顧客ではありません。

そうはいっても、資産の払い戻しまでは多少の時間はかかったかもしれませんし、その間に所有している株が暴落して売りそこなったなどの損失はあったかもしれませんが。そこまで心配していてはキリがないので、ある程度は諦めてください。

どうしても、万が一のことを心配するのなら、1000万円以上を運用するようになったら別の会社に口座を開いてください。公的な機関が補償してくれます。心配し過ぎとは思いますが。

また、証券会社が破綻したら株が紙切れになるのでは? という心配をするかもしれませんが、株の所有権は証券会社とはなんら関係ありません。あくまでも証券会社は株を預かっているだけであり、つぶれようともあなたが株主である事実に変わりはありません。時間がたてば別の証券会社にあなた名義の株式が移行され、再び売買を行うことができます。

 

証券会社の選び方 やはり決め手は手数料

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証券会社は数多くありますが、筆者は基本的には松井証券を愛用しております。

筆者の家族も株式取引を行っておりますが、そちらは主にSBI証券を利用しており、こちらもなかなかのメリットがあります。

始めて口座を開くなら、この2つのどちらかがお勧めです。

 

理由として、株式取引で儲ける際に最も重要なことは、手数料であると筆者は考えていいることです。

証券会社も商売でやってるので、無料で口座を開設してくれたり、株の売買を代行してくれるわけではありません。

証券会社によって取引の手数料はいくらかなど、別々に決められています。ATMの手数料が銀行によって異なるのと同様です。

しかし、取り扱う株式はどこの証券会社でも基本的には同様です。松井証券で買うトヨタの株と、SBI証券で買うトヨタの株が異なる株式というわけでもありません。例えていうならば、コカ・コーラのペットボトルはどこで買っても同様の品質ということです。

しかし、同じコカ・コーラであったとしても、セブンイレブンとローソンでは売っている値段が異なります。証券会社が異なることによって、割高で株を買ってしまうということにはならないのでしょうか?

そのような心配はいりません。株式の世界では基本的にはどこでも同じ株の値段は同じ値段になります(一部例外はありますが)。

これは、仲介業者である証券会社が異なろうとも、それを売買する市場(東証など)であるためです。同じ市場の商品のならば、買い手が誰であろうとも値段は同様なのです。

問題はそれを代わりに買ってきてくれる代行業者、すなわち証券会社に支払う手数料です。

それならば、手数料は安いに越したことはありません。

松井証券SBI証券が他の証券会社に比べて圧倒的に優れているところは、売買代金が10万円以下の取引に関しては手数料が無料という点です。

さきほどあげたトヨタの株ですと、残念ながら10万円以下では買えませんが、例えば「みずほ銀行」などで知られるみずほフィナンシャルの株などは10万円以下で買うことができます。(2019年6月現在)

この株を売買する時に、他の証券会社では毎回手数料に数百円支払わなければならないところを、この2社なら無料で売買できます。

一回の手数料は数百円程度でも、100回売買すれば数万円にもなります。

手数料は投資家側にとっては何一つとしてメリットのない『死に金』です。

手数料は売買代金や取引回数によって各証券会社が独自に設定しているので、最終的にはその人の取引スタンスによって選び方は変わります。一度に数百万も取引するときなどは、松井証券はあまりお得な手数料とは言えません。

しかし、筆者の経験上では一度に何百万もの売買を、しかも頻繁に繰り返すことはそう多くはありません。どちらかと言えば、10万円以下の少額取引を行うことの方が多いです。

もしあなたがこれから運用しようと思っている資金が何十億円もあるのなら話は変わりますが、せいぜい数十万から、多くて一千万程度の資金で株を始めようと思っているのなら、松井証券SBI証券を選んでおくのが長い目で見ればお得だと思います。

ただし、このSBI証券も何年か前までは10万円以下の取引が有料でした。各証券会社は現在、手数料の値下げ合戦を何年にもわたって繰り返しており、今後これ以外の証券会社の手数料が無料になる可能性も十分にあります。これはあくまでも2019年6月現在の話です。もしも、より手数料がお得なプランが生まれれば、そちらに乗り換えることも十分考えられることです。

ある証券会社の口座で所有している株や資金は、別の証券会社の口座に移すことも可能です。もし将来、所有している証券会社に不満があればその時に移すことは可能ですので、とりあえず現在は上記の2社から口座を開設して、適宜各々の判断で変更を行っていってもらえればと思います。

株を買うなら、まずは証券会社に口座を開こう

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株の売買にはいろいろとやることはありますが、まずは証券会社に口座を開かないことには何も始まりません。

何十年も前の時代であったなら、株主と株主が実際に顔を合わせて話し合い、持っている株券(本当に紙に書かれた株券)をいくらで譲渡するかという取引が行われていましたが、2019年の現代においてそのような取引は行われていません。そもそも、株券はいまはすべて電子データになっていますので、実際に紙で出来た株券は使用しません。

当然ながら、データを売り買いするのはネット上になります。そして、その取引を行う市場が東証東京証券取引所)などになります。ここで取引を行うためには、個人同士が直接売買を行うのではなく、必ず証券会社を介して取引を行う必要があります。そのため、まずは証券会社に口座を開設しないと売買自体が成立しないのです。

株の取得までの大まかな流れとしては

1 証券会社に口座を開く(開き方は証券会社のホームページを見れば書いてある)

2 開いた証券口座に入金する(自分の持ってる銀行口座などから振り込む)

3 買いたい株を見つけて、証券会社に「〇〇円で××社の株を100株買ってくれ」と注文を出す

4 証券会社はその条件で株を売りたいと言っている人を見つけてくれる。双方の条件が一致すれば、売買が成立する

5 口座から代金が引かれて相手に渡る。相手は株をあなたに渡す。これらの取引を証券会社が行ってくれる

6 こうしてあなたの手元に欲しかった株がやってくる

以上となっています。

もちろん、持っている株を売りたいときも同様に「自分の所有している××社の株を、〇〇円で100株売ってくれ」と注文を出せば、それを買いたいという人との間で条件が一致すれば売買が成立します。

安く買って、それよりも高く売る。基本的には、これを繰り返していくことで株の利益を上げていきます。

株の基本は「儲けたい!」の精神である

偏見ではありますが、株に興味を持った人の99%の動機は「儲けたい」であると思います。そしてそれは大変正しいことです。

中には、それ以外の理由を述べる人もいるにはいます。例えば「あの企業のことが好きで、株を買うことで応援したい」という意見も稀に聞きます。

しかし、その人に聞きたいのは「じゃあ、買った株が暴落して10万円程損しても応援したいか?」ということです。おそらく、そこまでして応援はしたくないでしょう(友人や家族が経営しているとかいうなら話は別ですが)。

上記のような自称・応援株主は株主優待をもらっている人が多いです。具体的にはカゴメとか味の素とか、身近な食品系メーカーが特にその傾向が高いと感じています。

「私はあの企業の商品が好きで、応援したいから買っている」と。しかし、その会社が配当金も株主優待も廃止して、しかも潰れそうになっていたら買い増ししますか?

株の基本は、あくまでも金儲けの道具です。シビアな言い方かもしれませんが、株を発行している企業側だって資金が欲しいから株を発行しているのです。

お金が欲しい者同士の思惑が一致しているから成り立つ信頼関係、それが株だと私は考えています。

株主優待だって企業にとっては財政的に負担です。先ほどのカゴメや味の素などのメーカーなら自社製品なので原価それ自体はそこまでではありませんが、郵送費や手間賃がメチャクチャ負担になります。すかいらーく吉野家などの飲食系は、食券を配っているので純粋に利益が減ります。ぶっちゃけ、配るほど企業が損をします。

では、なぜ株主優待を続けるのかと言えば、個人株主を増やして株価の安定を図るためです。実際、個人株主の多い優待系株は業績悪化などでも投げ売りが起きにくい傾向にあります(そうは言っても下がりはしますが)。

このような関係は、自分の好きな商品である株主優待が欲しい人と、株価安定を図る会社の思惑が一致しているからこそ成り立つのです。

株を長年やっていると、株主優待を突然廃止する会社も多く見てきました。業績悪化で仕方なくということもありますが、中には十分に余裕があるにもかかわらずコスト負担を嫌って廃止するところ、東証1部上場を果たして「個人株主はもう用済みだ」と言わんばかりに切り捨てにかかるところもあります(株主数が昇格条件になっているため)。

こうした優待廃止が行われると、たいてい株価は下落します(暴落と言ってもいい勢いで)。

でも、それでよいのです。財政的負担を減らすためなら株価が下がっても構わないという企業と、株主優待が廃止されるなら持ってるメリットがないと売り払う株主、双方の思惑が一致しているからです。

「せっかく株主優待をもらうために買ったのに廃止された! 裏切られた!」などと思わない方がいいです。株主優待を出すも出さぬも企業の一存です。そしてその株を買うも売るも、株主の一存なのです。

逆に言えば、株主優待を続けているのに株を売る投資家に対して、企業が「裏切者!」と言いますか?

買った株がメチャクチャ値上がりすれば、当然株主は売り払います。100円で買ったものが1000円で売れればうれしいですからね。

株とは、会社と株主の一種の契約書のようなものだと思えばいいのです。株主は儲けたいという思惑があり、思惑が外れればいつでも株主をやめる権利があるのです。そもそも株を買う買わないは投資家の自由なので、自分でリスクをとって買ったのだから、儲かるも儲からないも自己責任です。

企業が損失を出して株価が下がれば、当然株主は企業を追及する権利があります(それを行えるのが株主総会です)。しかし、損をしたこと自体は株主が責任を負わざるを得ません、そのリスクを承知の上で株を買っているわけですから。逆に儲かれば得をするわけですから、これまた誰にも批判される謂れはありません。素直に喜べばいいのです。

もし本当にお金なんか関係ない、純粋に企業を応援したいというのなら、こんなリスクをとらずとも、素直にその企業の商品を買うなり、周囲の人にその企業のすばらしさを教えてあげれば済むことです。企業の業績も上がって、ファンが増え、株なんか買わなくても企業の株価は勝手に上がってくれるでしょう。

これから株を始める人、そして始めた人に改めて言います。株をやるからにはいかに儲けるかということを第一に考えましょう。企業の都合だとか、そういうことは株を買うこと以外で応援すれば済む話です。

それと一言。たしかに儲かりそうだけど、この企業は大っ嫌い! ということがあるなら、その企業の株を買わなければいいだけです。会社なんて星の数ほどあります。

私だって人間です。個人的に嫌いな企業というものはあります。そういうところとは関わらないことにしています。

とりあえず趣味の株式投資について書いていこうと思います

どうも初めまして、個人投資家のShinoSenseです。

私が株式投資を始めたのは、いまから5年前の2014年春のことでした。

なんとなく見ていたテレビ番組『月曜から夜更かし』で、株主優待で有名な桐谷広人さんの面白おかしい生き様を見て「株主優待、そんなものがあるのか!」と興味を持ったのが始まりでした。

その後は、とくに誰に教わるでもなく独学で株の仕組み、買い方、税金のことなどを調べ、実際に買ったり売ったりし、気が付けばわりと利益が出るようにもなりました。

しかし、どうにも私の周囲には株式に興味を持ってくれる人がおらず、いろいろと話したいことはたくさんあっても、聞いてくれる人がいない。寂しい思いを抱いておりました。

そこでこれから株式を始めてみようと思う人、あるいは株を始めたばかりでいろいろ分からない人などに役に立てればと、そしてなにより私自身がおしゃべりなので、思ったことをとにかく話したくて、本日このブログを立ち上げることにしました。

私自身が独学なのでわからないことも多くまだまだ勉強中ですが、それでもなにかの役に立ってもらえればと、そしてこれから株を始める人に、この面白さを少しでも気が付いてもらえれば幸いです。

あと、たまにぜんぜん関係ないことも書くかもしれませんが、それはそれで興味がなければ読み飛ばすなりしてください。