株の始め方から応用まで シノ先生流株式投資

投資歴5年の個人投資家が、これまで学んだ株の基本やテクニックなどを紹介していくブログです

配当金で不労所得を得るために 配当金の利率計算方法と企業選びの注意点

 

f:id:ShinoSense:20190627024724p:plain

 

配当金とは、企業が株式を所有している投資家に、利益を現金で分配するものです。

以下の前回記事では、配当金が長期での資産形成に大きな役割を果たすことを紹介しましたが、今回は配当金の年利換算について解説します。

 

shinosense.hatenablog.com

 

まず理解していただきたいのは、配当金は企業ごとに金額が異なっているということです。どこの会社の株を買っても同じ金額が貰えるというわけではありません。

例えば去年の2018年配当ですと、トヨタ自動車ならば1株220円、みずほフィナンシャルなら1株7円50銭でした。

50銭というのが中途半端に思えるかもしれませんが、基本的に株は1株単位ではなく100株単位で購入するものなので、100株ずつ所有していた場合に渡される配当金はトヨタが2万2千円、みずほが750円になります。

 1株あたりいくら配当を出すかは各企業が勝手に決めることなので、配当金を多めに出す企業、少なめに出す企業などを各々の投資家が調べ、自分の好む企業に投資をすることになります。

 

どこの企業の配当金が多いのかは以下の計算式で表せます。

 

 

 

 『1株の配当金 ÷ 1株の株価』

 

 

 

2019年6月のトヨタ株は価格が1株6600円、1株配当を去年と同じ220円と仮定します。

220÷6600は0.033になり、パーセンテージで表せば3.3%ということになります。

つまりトヨタの配当金は、年利3.3%ということです。

 

もし株価がずっと変化せず、減配も起きなければ、毎年ごとに株の購入金額の3.3%が配当として振り込まれるという計算になります。

 

これと同様の計算をみずほで行うと、年利は4.8%になります。

配当金という点のみに注目し、同じだけの資金でそれぞれの株を購入するならば、みずほの方がトヨタよりも年利で1.5%ほど得であるという計算になります。

 

仮に100万円ずつ、10年間にわたり双方の株を所有していたと仮定しましょう。

トヨタ株は100万円が133万円に増えるのに対し、みずほ株は148万円に増えることになります。

さらに前回の記事で説明した『複利効果』があるため、実際には配当金を再投資に向けていれば双方の開きはさらに大きなものになっているでしょう。

 

このように、配当金を考えるときに重要なのは、その株価に対していくら貰えるのかという割合なのです。

配当金が220円と7円50銭というものを単純に比較できるわけではありません。

 

ただし、これはあくまでも配当金のみに注目した場合の話です。

自動車産業と銀行業ではあらゆる点で企業の意味が異なりますし、実際に株を買うかどうかは、この配当金だけで判断することはできません。

将来的な市場の変化、企業の財務状況、貿易や為替リスク、減配あるいは増配の可能性、などなど考えるべき要素はいくらでもあります。

 

しかし、配当金での企業比較の基本は、この年利計算にあるということはきちんと覚えておいてください。

 

 

 

では、配当金がいくら支払われるのかをどうやって調べるかというと、過去のものに関しては各企業がネット上などでキチンと公表しています。

上場企業(証券取引所で株が売買される企業のこと)は、その財務内容などを世間に公表する義務を負っています。なので、株主でない人間も企業の過去の会計などについては容易に調べることができます。

ちなみに過去のものではなく、まだ支払われていない今年や来年の配当金については、企業ごとに『予想』を公表しているものもあれば、『未定』としているところもあります。業績如何によっては変更されることも多いので、あくまで参考程度にとどめておくことが望ましいと思います。

 

さて、過去の配当金については、みなさんネットで企業名と配当金について検索してみてください、すぐに出てきます。

その中で、おおよそ過去5年分ほどの配当金の額を見れば、その企業が。

『ここは毎年同じくらいの配当金を出してるな』

『逆にこの企業は毎年配当金の額が大きく異なるな』

などの変化を見ることができ、例年決まった額の配当を出している企業などは、今年以降の配当金も似たような額になることが多いです。

 

このように、安定した配当を出す企業もあれば、業績によって配当金を変化させる企業もあります。そして、中にはまったく配当金を出さない企業もあります。

そういった無配の事情は各企業によって異なりますが、単純に業績が悪くて配当金を出せない場合もあれば、配当金に回す利益をすべて事業投資に回したり、あるいは内部留保(企業にとっての貯金)に回す場合もあります。

 

配当金はたくさん出せば良いというわけでもありません。

100万円しか利益が上がってない企業が100万円を配当に回してしまえば、設備投資もできませんし、業績が悪化した時に耐えることができなくなります。

特に新興の成長企業などは、利益を分配してしまうよりも事業拡大に向けたほうが最終的な会社の利益も増え、結果的に株価が上昇したりします。

これらはその企業の経営スタイルに大きな影響を受けます。なので、配当金が少ないからといって悪い企業とは限らず、逆に配当金が多いからといって良い企業とも限りません。

ちなみに、年間の利益以上に配当を出す企業も存在します。つまり会社の資産を崩して配当を出しているのです。こういった配当はタコが自分の足を食う様から『タコ足配当』と呼んだりします。こうした企業は要注意となります。

 

具体的な企業選びのコツはまたいずれ詳しくご紹介しますが、長期投資で儲けたいと思うのならば、この配当金の利率というものによく注意をして選ぶ必要があることは、理解しておいてください。